社会保険 読みもの(人事・労務向け記事)

2020年3月から外国人雇用状況の届出にが在留カード番号が必要になっています!

投稿日:2020年3月10日

厚生労働省が令和元年10月に調査した結果によると、日本には現在約166万人の外国人労働者がいます。平成31年4月4日には新たな在留資格が創設され、また改正出入国管理法が施行されており、それに伴う新たな在留資格を利用した労働者は520人となっています。
今後さらに各国に情報が広がりゆく中、外国労働人の数は増えていくと予想されます。

外国人雇用状況の届出は事業所の義務

外国人を雇用する事業所では、外国人雇用状況の届出を提出する義務があります。この外国人雇用状況の届出は外国人を雇用する際、また雇用した外国人が離職した際にハローワークに提出する義務があります。直接ハローワークへ届け出ることもできますが、インターネットを通じたハローワークインターネットサービスからの電子申請にも対応しています。

外国人雇用状況の届出の提出場所

届出の提出場所は、雇用保険の適応を受けているハローワーク、または管轄のハローワークになります。

外国人雇用状況の届出の提出期間

外国人雇用状況の届出の提出期間は外国人が雇用保険被保険者になる場合には雇用した翌月の10日まで、またその外国人が離職した場合は離職から10日以内です。

また外国人が雇用保険被保険者にならない場合では、雇用の翌月末まで、またその外国人が離職した日の翌月末までとなります。(3月1日に雇用した場合4月30日まで)

提出期間が雇用保険の加入状況により異なりますので注意してください。

外国人雇用状況の届出を怠った場合

外国人雇用状況の届出は、外国人を雇用する際また雇用した外国人が離職する際の2回、提出する義務があるものです。届出を怠ったり虚偽の記載があった場合には30万円以下の罰金の対象となります。

外国人雇用状況届出における届出内容

外国人雇用状況の届出の届出内容は雇用保険被保険者となる場合と雇用保険被保険者にならない場合と2種類に分類することができます。また、雇用保険被保険者になる場合には雇用時と離職時の内容が異なりますので注意しましょう。

外国人が雇用保険被保険者となる場合の雇用時届出内容

1 氏名
2 在留資格
3 在留期間
4 在留カード番号
5 生年月日
6 性別
7 国籍
8 資格外活動の許可の有無
9 雇入れに係る事業所の名称および所在地

これらを記入することができる取得届と2020年3月から新たに申請に必要となる在留カード番号を記入した申請用紙の2つ提出する必要があります。

外国人が雇用保険被保険者となる場合の離職時届出内容

1 氏名
2 在留資格
3 在留期間
4 在留カード番号
5 生年月日
6 性別
7 国籍
8 賃金及びその他の雇用状況に関する事項
9 住所
10 離職に係る事業所の名称及び所在地

これらを記入できる喪失届と2020年3月から新たに申請に必要となる在留カード番号を記入した申請用紙の2つ提出する必要があります。

外国人が雇用保険被保険者とならない場合の雇用時届出内容

1 氏名
2 在留資格
3 在留期間
4 在留カード番号
5 生年月日
6 性別
7 国籍
8 資格外活動許可の有無

2020年3月から申請時に必要になった在留カード番号の記入ができる届出様式で提出します。

外国人が雇用保険被保険者とならない場合の離職時届出内容

1 氏名
2 在留資格
3 在留期間
4 在留カード番号
5 生年月日
6 性別
7 国籍
8 資格外活動許可の有無

2020年3月から申請時に必要になった在留カード番号の記入ができる届出様式で提出します。

「在留カード番号」は2020年3月に新しく追加された事項です。雇用保険の有無に関わらず、外国人の雇用や離職時には必ず記入が必要になります。在留カード番号とは在留カード右上に記載されている12桁の英数字のことで、在留カードが不正ではないことを証明することができるものであり、より雇用の管理をスムーズに行うために外国人雇用状況の届出申請時にも記入することが決定したものです。

※2020年3月1日からの適用となるため2020年2月29日までに雇用、または離職した場合の外国人雇用状況の届出の申請では在留カード番号は必要なく従来通りの申請方法にて申請を行うことができます。

2020年3月に新たに追加された在留カード番号を忘れずに

2020年3月1日以降の外国人の雇用または離職に伴う外国人雇用状況の届出では、必ず在留カード番号の記載が必要になりました。これに伴い雇用保険に加入する外国人の外国人雇用状況の届出申請時には、新たに「雇用保険被保険者資格取得届、資格喪失届外国人労働者在留カード番号記載用【別様式】」を記入する必要があります。取得届、あるいは喪失届とともに申請時に提出しましょう。

また、雇用保険に加入しない外国人の場合の雇用状況の届出申請では様式が追加されるのではなく、様式が変更されています。変更された様式は届出様式(第3号様式)です。新たな届出様式にて外国人雇用状況の届出を行うことになりますので、様式の確認を行っておきましょう。

これら別様式での申請は暫定措置です。令和2年度中に新たな様式が発表される予定です。今回の変更では、在留カード番号の記入が増えるだけで難しい変更点はないものの、特に雇用保険加入時には別途申請用紙を記入する必要があるため申請時には書類不足に注意してください。

まとめ

これから企業が重要視しなければならないのは、外国人労働者の雇用に関するサポートの徹底、また各種手続きの把握と言えるでしょう。

厚生労働省による令和元年10月の調査によれば、約166万人いる外国人労働者を雇い入れている事業所は全国合計、242,608か所です。この242,608事業所のすべてに外国人雇用状況の届出を提出する義務があるということになります。外国人労働者が増加するのに伴い、外国人労働者を雇用する事業所も増えていますので、制度を理解しておくことは大切です。

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