今月のおすすめ記事 社会保険 読みもの(人事・労務向け記事)

【令和6年12月2日施行】マイナ保険証移行に関する重要ポイント

投稿日:2024年9月14日

「マイナ保険証」への移行が間近に迫っています。令和6年12月2日をもって、従来の健康保険証の新規発行が終了し、今後はマイナ保険証が基本となります。移行に伴い、注意すべきポイントや利便性について詳しく解説します。

マイナ保険証開始に関する疑問点【Q&A】

有効期限があるの?

A. 現行の保険証は令和6年12月2日時点で有効なものは1年間有効ですが、転職などで保険者が異動した場合には、その時点で失効します。

今の健康保険証は使えなくなるの?

A. 令和6年12月2日以降、新しい健康保険証の発行はされませんが、現在の健康保険証は1年間利用可能です。

マイナンバーカード持ってない社員は?

A. マイナンバーカードを持っていない人には「資格確認書」が発行され、これにより受診が可能です。

社会保険取得の手続き方法も変わるの?

A. 社会保険の取得手続きは、入社初日から数えて5日以内に行う必要があります。

今の健康保険証は返却するの?

A. 現行の保険証は令和6年12月2日以降、返却や返送の必要はありませんが、失効後は各自で廃棄する必要があります。

マイナ保険証にすると何がよくなるの?

A. 過去に処方された薬剤情報が、おくすり手帳なしで確認でき、高額療養費限度額を超える支払いが手続きなしで免除されます。また、医療費控除も e-TAXを通じて簡単に行えます。

試用期間中は社保の手続きをしなくてもいい?

A. 試用期間中であっても、入社初日から5日以内にマイナンバーの取得手続きを行う必要があります。

マイナ保険証の【メリット】

  • 過去に処方された薬剤情報が、おくすり手帳なしで確認可能に。
  • 手続きなしで高額療養費限度額を超える支払いが免除。
  • マイナポータルからe-TAXに連携することで、確定申告時に医療費控除が簡単に。
  • 健康保険証利用までの待ち時間が短縮され、事業所までの郵送や従業員配布が不要になります。

マイナ保険証の【デメリット】

  • 入社後5日以内にマイナンバーの登録が必要になるため、手続き期間が厳格化されます。
    ⇒試用期間でも、入社初日から数えて5日以内の手続きが必要です。
  • 入社時に制度案内を適切に行わないと、保険証利用に支障が出る可能性があります。
【入社前To Do】
・マイナンバーカードの発行状況確認
・マイナ保険証利用の紐付け案内

マイナ保険証登録している従業員/していない従業員へのそれぞれの対応

マイナ保険証登録している場合

  • 「資格情報のお知らせ」が発行され、事業所へ届いたら従業員に配布。
  • 「資格情報のお知らせ」を確認し、収録されたマイナンバーが正しくなければ、協会けんぽへ連絡する。
    ⇒発行時期:1回目は9月9日より配布スタート、2回目は1月下旬

マイナ保険証登録していない場合

  • 「資格確認書」が発行されます。会社に届いたら従業員に配布。
  • 従来の健康保険証のようなプラスティック製のカード(色は黄色)

▼マイナンバーカードを活用した保険証手続きフロー

マイナンバーカードを持っていない場合の対応

マイナ保険証がないと受診できないのか?

A. 移行期間中は最大1年間、現在の保険証を使用できます。

現行の保険証の有効期限が切れたら、マイナ保険証がないと受診できなくなる?

A. マイナカードを持っていない人、保険証と紐付けていない人は、交付される「資格確認書」で受診可能です。

「資格確認書」の取得には申請が必要か?

A. 資格確認書の取得には申請は不要で、令和6年12月2日までに自動的に発行されます。有効期間は5年間です。
12月2日以降に入社社員の取得手続きを行う場合は、取得時に合わせて申請をしたほうがスムーズに発行されます。

入社・異動・退社社員への対応と手続き

入社時(前)

  • マイナンバーカード所持確認
  • 保険証との紐付け確認
  • 扶養家族がいる場合は、家族分も同様に確認

異動時

  • 扶養異動対象者のマイナンバー確認
  • 扶養家族の紐付け状況確認

退社時

  • 資格喪失手続きにより保険証の紐付けが解除されることを説明
  • 12月1日までに退社の場合は、保険証返却が必要。それ以降は廃棄でOK
※国保への切り替え手続きはマイナポータルからできる

(手続きに必要な書類)
「資格喪失証明書」は別途、本人に渡す必要あり。

既存従業員向けの対応

マイナ保険証の準備方法

  • マイナ保険証切り替え案内
  • マイナンバーカード発行方法の案内
  • 保険証との紐付け案内
【参考リンク:厚生労働省HP】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40391.html

注意事項

  • 今の保険証の有効期限は1年間
  • 「資格確認票」の有効期限は5年間
  • 「資格情報のお知らせ」は、マイナンバーカードと併用でしか使えない

参考情報

【従業員向け案内文書例】
「健康保険証の廃止とマイナンバー保険証への移行についての案内文書」サンプル
※上記リンクをクリックするとダウンロードが開始されます。ダウンロード後、解凍してご利用ください。

-今月のおすすめ記事, 社会保険, 読みもの(人事・労務向け記事)
-,

関連記事

商業登記に基づく電子証明書の取得手順を書面とオンラインどちらも解説

「前回の記事」では法人向け電子証明書である”商業登記に基づく電子証明書”の概要、メリット、費用について解説しました。 取得方法についても触れ ソフトウェアインストール 必要ファ …

36協定の新様式

【記入例有り】36協定の新様式、書き方完全マニュアル(社労士が解説)

新36協定のおさらい 2018年6月に成立した「働き方改革関連法」によって時間外労働の上限規制が変わります。それに伴い、36協定のフォーマットも新様式に変わりました。 この記事では、2019年4月から …

【仕事と家庭の両立を実現!】両立支援に関する取り組みの助成金・奨励金まとめ

厚生労働省や各自治体が提供する両立支援のための助成金・奨励金は、労働者が仕事と家庭を両立できるよう支援する制度です。 事業主が、育児や介護との両立を行う労働者の雇用継続を目指し、就業環境の整備に取り組 …

育児休暇

【社労士が解説】育休中の社会保険料「免除要件」はこう変わる、給与と賞与の2つのポイントを解説

育児休業を取得すると、その間、給与や賞与から天引きされる社会保険料(健康保険料や厚生年金保険料)が、被保険者分・事業主分ともに免除されることになっています。免除される月は、「育休の開始月から終了日翌日 …

2024年4月から労働条件明示ルールの改正あり!企業担当者が押さえるべきポイントを解説

労働契約を締結する際、労働者に対して賃金や労働時間などの労働条件を明示することが使用者の義務です。労働条件明示のルールについて、2024年4月から新しく明示事項が追加されることになりました。そこで、ル …